[原子力産業新聞] 2005年1月20日 第2267号 <6面> |
[原子力委員会] 「ご意見を聴く会」双葉・美浜町長招き開催原子力委員会は13日、福島県・双葉町の岩本忠夫町長と福井県・美浜町の山口治太郎町長を招き、ご意見を聴く会を開催した。両町長は現場重視の安全確保を強く要請、岩本町長は福島第一の7・8号機増設に期待を示し、山口町長は関係者の適切な対応で事故発生後も住民の信頼感に変化はないとした。 岩本・双葉町長は、安全確保に関しペーパー重視・現場軽視の声があり、事業者のトップや規制当局は現場を回り、実体をよく把握して欲しいと指摘。ヒューマンエラーの増大は熟練技術者の減少によるもので、技術の質の低下を懸念しており、事業者は適切な価格での発注など協力会社を大切にすべきとした。 福島県が実施中の検査については「国に加え県が独自検査していることは国と県の信頼関係の点からいぶかる人もいる」とした。またプルサーマルを推進すべきとし、保安院と経産省の分離に関し「分離により国の取組みの分散も懸念され、現行体制で如何に充実するかを考えるべき」とした。福島第一の7・8号機については「長年の懸案だが漁業補償も終えており、県の姿勢によるがゴーサインを出しても良いのではないか」と期待を示した。 山口・美浜町長は、事故により住民の原子力に対する信頼が失われることを懸念したが、国や事業者など関係者の一体となった対応が住民に安心感を与えたと指摘。しかし、事故が「もんじゅ」改造工事、プルサーマル計画、中間貯蔵施設計画などに影響を与えたのは残念とした。今後、事故の原因究明と防止対策の継続的な取組みとともに、住民の目線による分かり易い説明を強く求めるとともに、現場では協力企業が重要な責任を担っており、技術力の充実が重要と指摘した。またマスコミに対し、「センセーショナルな報道により観光に影響した面があり、冷静かつ正確な報道を求める」とした。 |