[原子力産業新聞] 2005年1月27日 第2268号 <1面>

[電事連] 「燃料サイクル事業は正念場」

電気事業連合会の藤洋作会長は21日の定例会見で、六ヶ所再処理工場やプルサーマルなど核燃料サイクル事業の円滑な推進に全力をあげるなど、今年の抱負を述べた。

藤会長は「今年は原子力基本法が公布されて以来50年の節目の年。電力業界は2度のオイルショックで石油火力依存の問題を痛感、電源の多様化の柱として原子力に取り組んできた。この結果、昨今の化石燃料高騰でも電気料金への影響を極めて低く抑え、同時に年間2.25億トンの二酸化炭素を削減している」とし、安全確保を前提とした原子力発電の信頼回復に全力をあげることを強調。「50年前の我が国リーダーの熱き心に思いを馳せながら、エネルギー・セキュリティーの確保、化石燃料に対するバーゲニングパワー、燃料リサイクルなど原子力の意義や特徴を最大限に活かしたい」とした。

核燃料サイクル事業については「六ヶ所再処理工場のウラン試験が開始され、日本の核燃料サイクル事業は正念場を迎えている。いくつかのトラブルや問題が早速発生しているが、安全確保を最優先に、皆様のご期待を裏切ることのないよう、業界をあげて的確な情報公開に努める」と述べた。

また、昨年末に設立に向け1歩を踏み出した「日本原子力技術協会(仮称)」について、第3者の視点を生かしたチェックとレビュー活動に対する積極的な支援・協力を改めて強調した。


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