[原子力産業新聞] 2005年2月3日 第2269号 <2面>

[エネルギー環境Eメール(EEE)会議] FBR緊急提言を公表

「エネルギー環境Eメール(EEE)会議」(金子熊夫代表、会員78名)はこのほど、「日本のエネルギー自立と科学技術立国のため、高速増殖炉の実用化が必要であり、そのための国内体制の改革、強化が急務である」とする「わが国の高速増殖炉開発に関する緊急提言」を取りまとめ公表、内閣総理大臣、関係閣僚、原子力委員長など、関係者に送付した。

提言は、「資源小国たるわが国の場合、エネルギー自立と科学技術立国の観点からも、ウラン燃料の最も効率的な利用を可能にする高速増殖炉の重要性は極めて大きい」としながらも、経済性向上など、多くの技術革新が必要と指摘。一方、電力自由化の進展から、「電力会社は高速増殖炉のようにリスクを含んだ将来技術を自ら開発する余力が乏しくなってきた」とし、技術開発の進め方や開発体制、組織等で抜本的な改革が必要としている。

この上で、@「もんじゅ」の早期運転再開A実証炉の技術開発及び建設体制の確立B国際協力の有効活用――の3点を提言。

実証炉の開発・建設体制については、核燃料サイクル開発機構と統合後の日本原子力研究開発機構が国の資金で研究開発を行うにあたって、研究開発は文部科学省、実証炉建設は経済産業省という「現状の行政体制では、首尾一貫した方針は望みがたい」と指摘。実用化を見据え、「国の体制一元化を図ることが是非とも必要」としている。

また、実証炉の実施主体については、電力会社主体、国が主体となった新法人等、様々な選択肢が考えられるとしながらも、「責任が一本化され当事者能力の高い体制作りが肝要」とし、加えて原子力委の下に「高速増殖炉実用化検討委員会」を設け、早急に合理的な体制構築をはかるよう提言している。


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