[原子力産業新聞] 2005年2月10日 第2270号 <1面> |
[サイクル機構] 「もんじゅ」工事を事前了解核燃料サイクル開発機構は7日、西川一誠福井県知事と河瀬一治敦賀市長から高速増殖原型炉「もんじゅ」の改造工事に対する事前了解を得た。 改造工事は、95年12月の2次主冷却系ナトリウム漏えい事故以来、運転を停止している「もんじゅ」の運転再開の前提となるもので、すでに国は昨年1月に改造工事を認可している。サイクル機構は直ちに改造工事の準備作業に着手するとしている。 工事の概要は、@ナトリウム漏えい対策A温度計の交換B蒸発器安全性能の改善――からなる。 具体的には、ナトリウム配管の大口径化、ドレン弁の多重化と熱・煙感知器の設置などを行う。また温度計交換では、破損してナトリウム漏えい事故の直接原因となった温度計42本のさや管の短縮化、シール構造化、漏えい検出器内蔵などの対策をとる。さらに蒸発器改善では、蒸発器へのカバーガス圧力計の追加設置、蒸発器出口放出弁と蒸発器入口放出弁の追加設置を行う。 改造工事の着工は約半年後に行う計画で、工期は約17か月。工事費は総額約180億円を見込んでいる。工事が順調にいけば、約1年間の設備確認試験を含めて、約3年で完了する見通しとなっている。 殿塚理事長は3日にも、福井県庁で西川知事と面談、もんじゅの安全確保対策の強化、10月に発足する日本原子力研究開発機構の敦賀本部の本社機能付与、原子力、エネルギーに関する研究開発拠点化の推進、地域振興等について説明、了承されていた。 統合新原子力法人の敦賀本部については、敦賀本部に経営機能を有する本社機能を持たせ、本部長に副理事長を充てる等の内容。副理事長の下に経営企画部を設置、同部の一部は福井市にも駐在する。 |