[原子力産業新聞] 2005年2月17日 第2271号 <2面>

[茨城県大洗町] 水素利用検討会が発足

茨城県大洗町は9日、クリーンエネルギーとして期待される水素をまちづくり施策に活用しようと、産学官民連携による「大洗町水素利用検討会(=写真)」を発足させた。

大洗町には、日本原子力研究所大洗研究所と核燃料サイクル開発機構大洗工学センターが立地し、それぞれ高温工学試験研究炉(HTTR)、液体金属冷却高速炉を用いて、原子力による水素製造に関する研究を行なっている。同検討会は、これら研究成果により蓄積された水素に関する知的財産を、産学官民の連携により、既存産業の振興や新産業創出、人材育成の資源として役立てようというもの。全国自治体に先駆けて将来の水素エネルギー社会を展望し、まちづくりに生かしていくのが狙い。

同日行なわれた第1回検討会で、検討会リーダーに日本原子力産業会議原子力システム研究懇話会の堀雅夫氏(原子力水素研究会代表)を選出。堀氏は検討会リーダー就任にあたり、「水素エネルギーの利用に向かって、このように供給する側と利用する側が一堂に会して意見交換することは重要である」として、「地域の特長を生かし、活性化につながる水素利用の展望が描ければと思っている」と抱負を語った。

同検討会では今後、燃料電池や水素自動車、水素ステーションなどについて検討を行い、7月を目処に意見をまとめる予定。検討会の委員には、大洗町、茨城県、地元事業者、大学、原子力研究機関、石油、ガス、重工業会社などが参加している。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.