[原子力産業新聞] 2005年3月10日 第2274号 <1面>

[原子力安全委員会] ウラン試験の実施状況を報告

原子力安全委員会の再処理施設安全調査プロジェクトチームは3日、第9回会合を開催し、六ヶ所再処理施設のウラン試験の実施状況等について報告を受けるとともに、同チームによる今後の安全調査の進め方について検討、了承した。

ウラン試験は、ウラン脱硝建屋、前処理建屋、分離建屋で実施中。具体的には、脱硝建屋では、分離、精製建屋でのウラン試験に使用するウラン溶液を作るために、大型ウラン粉末容器から、ウラン粉末を気流輸送し、UO3溶解槽で溶解試験を行っている。

また、前処理建屋では、2系列のせん断設備で、模擬ウラン燃料集合体27トンのせん断を行い、所定の能力を有していることを確認するせん断試験を行っている。模擬燃料集合体により、プルトニウム、核分裂生成物以外は、アクティブ試験に近い状態での機能確認が可能とされる。

日本原燃は、ウラン試験に伴うトラブル等とその対応に関して、トラブルのABCおよびC未満の4クラスへの区分、社内の連絡対応体制、これまでに発生したトラブル・故障事例、公表判断の考え方などを報告、委員の了承を得た。

会合では、プロジェクトチームによる今後の調査の進め方について、事務局提案を検討、了承した。事務局案は、ウラン試験の安全確保について、日本原燃の品質保証体制でPDCA(計画・実施・評価・改善)サイクルが有効に機能することを継続的に確認する、保安規定の認可および保安検査を通じて安全対策が講じられていることを確認するなど4項目。


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