[原子力産業新聞] 2005年3月10日 第2274号 <2面>

[美浜3号機2次系配管破損事故調査委] 報告書の再検討求める

美浜発電所3号機2次系配管破損事故調査委員会は3日、第8回会合を開催、関西電力と三菱重工業の事故報告および再発防止策、これに対する原子力安全・保安院の暫定評価などについて議論した。保安院は、関電の再発防止策達成のためには具体的なアクションプログラムが必要と評価。朝田委員長も「もう少し掘り下げた内容が必要」とし、同委員会として再検討を求めた。次回会合は今月14日に福井市で開催、関電が同プログラムなどを提出、三菱重工も捕捉説明を行う予定。

今会合で関電と三菱重工は、今月1日提出の事故報告書と再発防止策の内容を、保安院はこれに対する暫定評価を、それぞれ説明した。評価で保安院は、42か所(11基合計)の点検部位登録漏れに関して、1990年の管理指針策定前後に両社間で若干の混乱が発生、併せて三菱重工での登録作業はベテラン1人の作業に依存しチェック機能が十分機能せず、関電では点検管理が一義的に設置者責任との自覚が不足と指摘。また、事故調査の過程で、技術基準独自解釈による補修先送りの常態化(保安院見解で78件)が判明した点に関し、現場で定期検査工程優先の意識が強いことを示しており、重要な問題とした。

一部委員からは、再発防止策はある程度評価できるとの意見も出されたが、より具体的な内容や対策をどう機能させるかという一段高いレベルへの引き上げを求める意見が大勢。同時に「原因調査にPWRが1社供給体制で競争原理が働かない点を追加して欲しい」(朝田委員長)、「困難な事は承知しているが、三菱重工から適切な管理を業界全体に働きかけて欲しい」(斑目委員)などの要請も出された。


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