[原子力産業新聞] 2005年3月24日 第2276号 <1面> |
[「もんじゅ」裁判] 最高裁で口頭弁論開く最高裁判所第一小法廷(泉徳治裁判長)は17日、住民ら原告が国を相手取りFBR原型炉「もんじゅ」の原子炉設置許可処分の無効確認を求めた行政訴訟で、双方から主張を聞く口答弁論を開いた。最高裁はこれで結審、泉裁判長は判決言い渡し期日を追って指定するとした。 口答弁論は午後1時半に開廷。まず国側が2003年1月の2審・名古屋高裁金沢支部判決について、行政処分無効のためには重大かつ明白な違法性が必要で行政庁の専門技術的裁量尊重の考え方を示した過去の最高裁判例に違背。原子炉等規制法第24条の原子炉設置許可基準の誤った解釈と多重の安全機能が全て働かないという非現実的な仮定に基づく独自判断など、同判決の不当性を指摘。福井地裁判決を支持し、名古屋高裁への控訴を棄却すべきと主張した。 一方原告側は、実績ある軽水炉に比べ高速増殖炉の危険性は高く、床ライナを審査対象とせず、蒸気発生器伝熱管破損防止装置が適切に機能しない懸念があるなど安全審査は違法。最高裁判断を待たず改造工事にも着手しており、原子力行政を正すのは司法の役割などとし、名古屋高裁の判決を支持すべきと主張した。 約1時間あまりの口答弁論で、国側の代理人1人による3、4分の主張に対し、原告側は原告・代理人など計7名が1時間近く主張した。なお、判決は早ければ今年央との見方が有力。 |