[原子力産業新聞] 2005年4月7日 第2278号 <2面>

[原子力安全・保安院] 規制の合理性、透明性確保

 経済産業省原子力安全・保安院は1日、今年度の同院予算の概要を発表。@科学的・合理的な規制を実施する。また、規制の実施に当たっては、透明性を確保するA安全規制の着実な遂行と充実に全力で取り組むとともに、引き続き原子力防災対策等を推進。原子力安全に係る広聴・広報活動については一層の強化に取り組むBクリアランス制度の整備及び、核物質防護対策増強等に係る所要の法整備を検討する――など、予算執行に当たっての重点を明らかにした。

 保安院の今年度予算額は、総額で対前年度額5億5000万円増の、420億7000万円(前年度予算額・415億2000万円。以下括弧内同)。内訳は、一般会計 24億4000万円(26億4000万円)、電源立地勘定 219億5000万円(218億4000万円)、電源利用勘定141億2000万円 (130億8000万円)その他で、また分野別に見ると、原子力安全分野が348億8000万円(336億7000万円)であり、このうち237億3000万円(240億9000万円)が、原子力安全基盤機構運営費交付金。一方産業保安分野が71億9000万円(78億5000万円)となっている。

 具体的に内容を見ると、原子力安全分野に348億8000万円(336億7000万円)を計上。種々の経年変化事象について、き裂進展評価のデータを取得するための試験等を実施するなど、適切な健全性評価手法の確立等を図るなど高経年化対策のほか、MOX燃料や燃料被覆管に係る各種試験等を実施して、燃料の安全規制に関連するデータの収集・整理・評価などに注力する。

 また核燃料サイクル施設等安全対策には、対前年度比大幅増の49億円(39億1000万円)を充てており、核燃料サイクル施設、使用済み燃料貯蔵、放射性廃棄物の安全対策を、強力に推進する方針。さらには広聴・広報事業に5億3000万円(4億3000万円)を計上し、規制情報へのアクセスを保証する透明性の確保や、原子力安全規制行政に対する国民の信頼の回復に、全力で取り組む。

 またこのほかでは、知的基盤の創生等に9億6000万円(4億9000万円)、国際協力に6億7000万円(5億2000万円)などを計上している。


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