[原子力産業新聞] 2005年4月7日 第2278号 <2面>

[新刊抄] 「新原子炉お節介学入門」 柴田敏一 著

 京大原子炉実験所長や近大原子力研究所長などを務めた柴田敏一氏の新著。2000年に刊行された「原子炉お節介学入門」(上下巻、電力新報社)の続編にあたる。

 本書では、京大原子炉(KUR)の建設計画から説き明かし、設計、建設、臨界実験、測定など、柴田氏によると「全くの素人であった著者が、いろいろ経験して何とか形になってきた」歴史をふり返る。第二部「少し生意気に国際レベルをねらうが」では、京大臨界実験装置(KUCA)建設の経緯と、京大二号炉(KUHFR)構想など、「野心的な構想で進めた」事柄など。第三部「『原子炉』の隙間から世間を覗く」では、「『維持基準』考」など、今日の問題にも言及する。

 挿絵を描いているのは、柴田氏の次女の江村和子氏。薬剤師の経験を持つ一男一女の母親とのこと。

 A5版、415頁。一宮事務所刊、エネルギーフォーラム販売、2625円。


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