[原子力産業新聞] 2005年4月7日 第2278号 <2面>

[中国、南ア] 高温ガス炉で協力 3月に調印

 南アフリカのPBMR社は3月10日、北京のシナジー社との間で、2010年までにHTR実証プラントの設計、開発、建設を目指す協力覚書に調印した。

 シナジー社のF・ウ氏によると、ペブル燃料を使う高温ガス冷却炉は、環境に優しい上に商業的にも成り立つ可能性が最も高いという。PBMR社のJ・クリークCEOは、「同時期に2プラントが完成すると、今後の応用に向けた技術的経験が得られる。中国の参加により、PBMRプロジェクトと共に、単純で受動的な本質的に安全な新型原子炉技術を近い将来に市場に出せる」としている。

 南アのPBMRと中国の高温ガス炉は、ペブルベッド燃料を使うという共通点があるが、中国が間接サイクルで蒸気タービンを用いるのに対し、南アのPBMRは直接サイクルのガス・タービンを使うとの違いもある。

 中国の高温ガス実験炉HTR110は、2000年12月21日に初臨界を達成した。

 南アのPBMRは、実証炉をケープタウン近くのクバーグに建設し、パイロット燃料プラントをプレトリア近くのペリンダバに建設する。2007年に建設開始、2010年までに実証プラントを完成、2013年に商業運転開始を予定している。

 南アフリカのケープ高等裁判所は、今年2月、PBMRの最終環境影響評価についてはさらに協議が必要と裁定したが、プロジェクトに著しい遅延はない見込み。2004年末には、南アでPBMR関連の主要契約12のうち10が署名された。


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