[原子力産業新聞] 2005年4月14日 第2279号 <1面> |
[原産・国際展開懇話会] 策定会議WGに10項目の提言日本原子力産業会議・原子炉開発利用委員会の原子力国際展開懇話会(主査=神田啓治・エネルギー政策研究所所長)は、「原子力産業の国際展開に関する提言」をまとめ、11日開催の原子力委員会・新計画策定会議の国際問題検討WG第3回会合に報告した。国際展開の基本理念を掲げ、その戦略的重要性を指摘するとともに、国策上の位置付けの明確化など10項目の提言を示した。 原子力国際展開懇話会は産業界、学識経験者など29名の委員とともに経済産業省、外務省など関係省庁からも8名のオブザーバーが参加し、昨年11月から先月まで計7回の会合を重ね、提言をまとめた。 基本理念では、世界のエネルギー供給の安定や地球温暖化対策への寄与は原子力先進国として我が国の国際的責務であり、原子力国際協力の推進は資源問題の平和的な解決の道を目指すことに繋がることを挙げた。併せて、近隣アジア地域での国際展開では、平和利用に徹する積極的な役割を果たすとともに、エネルギーの安定供給、ひいては安全保障の確立に資するとする。 また国際展開は、我が国原子力産業の技術・人材の厚みの維持発展、産業界の国際対応力や競争力の強化などの点から、近年益々その戦略的重要性が増していると指摘した。 10項目の提言は、@原子力国際展開に関して、国の政策上の位置付けの明確化A国際交流と人材育成支援には、関係機関で効率良く調整が図れる仕組み作りB安全確認に関する経済産業省、国際協力銀行、日本貿易保険と輸出者との効率的、迅速な対応C国際協力銀行からの先進国向け融資原則禁止の融資再開への検討D原子力が国際的な支持を得られるための地道な努力(CDM対象となるための努力)E導入国の原子力損害賠償制度整備に向けての働きかけF輸出許可手続きの柔軟な運用G輸出相手国の基盤整備に国および産業界の一体となった協力H国際競争力のある原子力発電プラントの開発I政府首脳による相手国政府への働きかけ――など。 |