[原子力産業新聞] 2005年4月14日 第2279号 <1面>

[原子力委・新計画策定会議] 国際問題WG 3項目で論点整理

 原子力委員会・新計画策定会議の国際問題検討WGは11日開催の第3回会合で、国際展開を検討するとともに、次期長期計画の国際問題への取組みのベースとなる論点整理案を取りまとめた。今月27日と28日に開催される新計画策定会議に報告する。

 論点整理案は第1回会合の「核不拡散体制の維持・強化」、第2回会合「国際協力」および今会合「国際展開」の各検討内容をまとめたもの。核不拡散体制では、今後も究極的な核兵器廃絶を目指す国際的取組みをリードすることを含め核軍縮外交を推進し、IAEA保障措置の着実な実施および輸出管理の遵守・強化に取り組み、拡散に対する安全保障構想(PSI)に積極的に参加するなどを挙げた。

 国際協力は途上国、先進国、国際機関などに分け、各方針を示した。NPT非加盟国との関係については、「あらゆる交流に否定的な立場を取るべきではなく、核不拡散の重要性を踏まえつつ、未来志向の考え方に立ち、例えば国際機関における活動や安全確保などの普遍性の高い分野から限定した交流、協力等を行うことも検討する」とした。

 国際展開では、原子力大国に対しては産業界が主体となり商業ベースで展開することを基本とし、拡大期の国に対しては国際協定を考慮し他国の産業界とも協力、国の適切な支援も必要と指摘。また、今後導入を検討している国に対しては、核不拡散体制の整備、原子力安全規制体系の導入、放射性廃棄物の処分方針の策定、原子力に対する国民的理解などの課題の克服が必要で、国は側面支援を検討すべきなどとする。


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