[原子力産業新聞] 2005年4月14日 第2279号 <2面>

[青森県] 三村知事、近藤委員長を訪問 サイクル事業の円滑推進等求める

 青森県の三村申吾知事は12日午前、原子力委員会の近藤駿介委員長を訪問(=写真左)し、六ヶ所村に建設予定のウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料工場に関連して、安全確保と燃料サイクル事業の円滑な推進などを要請した。

 近藤委員長は、要請に応えて、「MOX工場は、プルトニウムを扱う機微な施設。IAEA保障措置の下で、厳格な管理を行う必要がある。事業者は能力、資格が十分あると信じる」とした。さらに「プルトニウム保有量を全世界に公表するなど、透明性の確保と世界の模範となることを目指している」と述べ、原子力委員会は、情報公開とプルトニウム利用の広報に努めるとの考えを示した。

 また、近藤委員長は、サイクル事業の推進には、教育・人材確保が重要であるとの三村知事の考えに同意し、事業者が的確な教育を行うべきとし、「失敗の経験も共有する必要がある。経営の任ある人の責任で情報の共有を進めて欲しい」などと述べた。

 三村知事は、午後には中川昭一経済産業大臣を訪問し、原子力施設の安全規制の強化、信頼関係の回復、プルサーマル推進への一層の取組みなどを要請し、大臣は国の積極的取組みを約束した。さらに、藤洋作電気事業連合会会長と会見、事業者の品質保証体制の構築と信頼回復、従事者のモラルの向上と人材育成などを要請した。


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