[原子力産業新聞] 2005年4月14日 第2279号 <3面>

[原産] 2004年末現在 世界の原子力発電所の現状

 日本原子力産業会議は8日、2004年12月末現在の、世界の原子力発電所の現状を取りまとめて発表。04年末現在で、世界で運転中の原子力発電所は434基で、合計出力は3億7920.7万kW(前回=434基・3億7628.6万kW)となり、運転中の合計出力は、前年を上回り過去最高となったことを明らかにした。

 同調査は原産会議が毎年実施しているもので、今回は世界36か国・地域の77の電力会社などから得たアンケートの回答などが集計・取りまとめられている。

 各内容を詳しく見ると、現在建設中の原子力発電ユニットは33基・2805.2万kW(前回調査時36基・3128.4万kW)で、また計画中は38基・3972.3万kW(同28基・2792.3万kW)であることが判明。計画中のユニットが1年間で10基も増加しているとの結果について、同調査では「注目される」とコメントしている。

 また、04年に新たに営業運転を開始した原子力発電所は、中国の秦山II期2号機(PWR、65万kW)と韓国の蔚珍5号機(PWR、100万kW)、チェコのテメリン1・2号機(PWR、各98.1万kW)の計四基。中国ではこの3年間で、6基・468万kWの原子力発電所が営業運転を開始するなどハイペースな開発が進んでおり、これにより中国の原子力発電設備容量は、9基・695.8万kWに上昇。さらに建設中の2基(田湾1・2号機、各100万kW)も、05年内の運転開始を計画している。

 その他でも、インドでは高速増殖炉原型炉「PFBR」(50万kW)が2011年の完成を目指し着工。また計画入りを見ると、アジアでは中国(8基・730万kW)を含めて15基・1440万kWが新たに計画入りを果たしており、これらのことから、アジア圏における原子力発電開発がますます勢いを増してきている実態が、今回調査によって浮き彫りになったと言える。

 この他のトピックスとしては、フランスで、初のEPR(欧州加圧水型炉)となるフラマンビル3号機(EPR、160万kW)が、正式に計画入り。計画では07年の着工、12年の運転開始を予定している。

 一方、英国のチャペルクロス1、2、3、4号機(GCR、各6万kW)と、リトアニアのイグナリナ1号機(LWGR、150万kW)の5基が、04年に閉鎖。チャペルクロスは、原子燃料会社(BNFL)のマグノックス(ガス)炉閉鎖計画に基づく閉鎖で、イグナリナは、リトアニアの欧州連合(EU)への加盟条件としての合意による閉鎖となっている。


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