[原子力産業新聞] 2005年4月21日 第2280号 <2面>

[原子力安全委] 島根3の二次審査を終了

 原子力安全委員会は18日、中国電力・島根原子力発電所3号機(ABWR、137.3万kW)増設などの原子炉設置変更について審議、原子力安全・保安院による「原子炉等規制法の許可基準の適用は妥当」とし、経済産業大臣に答申した。これは、2004年4月の経済産業大臣の諮問に応えたもので、これで安全委員会による二次審査が終了した。

 島根3号機の安全審査については、同委員会の原子炉安全専門審査会が6日、「安全性は確保し得る」との報告書を取りまとめている。同審査会は、@地震、地盤など立地条件A原子炉施設の安全設計B原子炉施設周辺の一般公衆の受ける線量評価C運転時の異常な過渡変化の解析D事故解析E立地評価のための想定事故解析――の6項目について調査審議を行った。

 具体的には、立地条件では、設計用最強地震の対象として鳥取県西部地震(M7.3、震央距離42.9km)などを選定、また活断層である宍道断層の第四紀後期の活動を考慮する長さとして、2kmの余裕分を追加して十kmと保守的に評価するなど、妥当な判断を行っていることを確認した。

 また、原子炉施設の安全設計では、浜岡5号に続き採用されるシールレス型新型制御棒駆動装置、変更された主蒸気逃し安全弁の容量と個数などに留意、安全性を確認したとしている。

 答申を受けて、経産大臣は設置変更許可を発給する見通し。


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