[原子力産業新聞] 2005年4月28日 第2281号 <1面> |
[青森県] 原子力政策懇話会 中間貯蔵施設立地青森県は25日、青森市内のホテルで第10回原子力政策懇話会(座長=林光男・青森県商工会議所連絡会会長)を開催(=写真)、使用済燃料中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」の立地について議論を開始した。県は来月中旬に県議会全員協議会、同懇話会の次会合、市町村長会議などを開き集中的に検討を進める方針。 三村申吾知事は、今懇話会で中間貯蔵施設に関し、「立地については今後、県議会や県民の意見を聞き判断することになるが、私自身も先日、日本原子力発電・東海発電所の貯蔵施設を見学してきている」と挨拶。県としてむつ市の意向を踏まえ、前向きに検討を進める意向を示した。 今懇話会では、先月13日に「適切な品質保証体制が確立され、さらに安全対策等が確実に実施されるならば、施設の安全性は十分に確保できる」との検討結果を発表した県の「使用済燃料中間貯蔵施設に係る安全チェック・検討会」の平川直弘主査(東北大学名誉教授)などが検討経過を報告。今後の留意点として、「新会社であり、責任分担を明確にするとともに、設立当初の要員確保及び育成は極めて重要で、品質保証体制も速やかに構築する必要がある」等も説明した。 委員からは、50年後に使用済燃料の搬出が必要な場合には誰が責任を持つのか、との質問が出されたが、資源エネルギー庁としても50年を経過するまでに確実に再処理することを約束している、と答えた。また、県は「立地に際しては、施設の50年後の処理に関して、大臣級のレベルで確認の必要があると考えている」と述べた。 今懇話会ではMOX燃料加工工場の基本協定締結、再処理工場のウラン試験実施状況、東北電力東通1号機の現状なども議論したが、次会合では中間貯蔵施設の立地について集中的に議論する予定。 リサイクル燃料備蓄センターは東京電力が日本原子力発電の参画を得て、2010年までに操業開始予定で、昨年2月に県に立地を申し入れた。 |