[原子力産業新聞] 2005年4月28日 第2281号 <3面>

[米下院] エネルギー政策法案 可決

 米下院は21日、懸案となっている「2005年エネルギー政策法」を249対183で可決した。原子力関係では、同法にプライスアンダーソン法の20年間延長や、水素製造研究のためアイダホ国立研究所に31億ドルかけて原子炉を設置することなどが含まれている。上院での審議は夏頃になる予定。

 包括的エネルギー法案は、ブッシュ大統領が2001年5月に発表した「国家エネルギー政策」を具体化するもの。過去数回にわたり、立法化の努力が行われてきた。しかし、アラスカ自然保護区での石油・ガス開発解禁や、環境汚染が問題になっているガソリン添加剤MTBEの製造物責任を巡る文言などを巡り民主、共和両党が対立。2003年11月に下院が可決したものの、上院での審議が難航していた。

 下院エネルギー商業委員会は13日、2005年エネルギー政策法案を可決、下院政府改革委員会も、同法案の税金関係部分の法案の検討を終えていた。

 エネルギー商業委員会が可決した原子力関連条項には、@プライス・アンダーソン法の20年延長A原子力2010構想、原子力研究イニシアチブ、第四世代エネルギーシステム計画を含む原子力研究開発計画へ今後5年間に30億ドルの承認Bアイダホ国立研究所で水素生産用の新型研究炉の建設支援Cウラン市場の安定性を強化する条項D核拡散抵抗性のあるリサイクル・変換技術の研究・評価を目的とする先進的核燃料サイクル構想(AFCI)E大学での原子力科学技術支援――が含まれている。

 エネルギー政策法案の下院通過をボドマンDOE長官は歓迎、上院が速やかに同法案を審議、可決するよう、要請した。また、米原子力エネルギー協会(NEI)のボウマン理事長は、「この法案の通過により、新規原子力発電所を米国の多様化されたエネルギー・ミックスの一部とすることができる」と歓迎している。


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