[原子力産業新聞] 2005年5月12日 第2282号 <2面>

[北陸電力] 志賀2号が試運転開始

 北陸電力が建設を進めている志賀原子力発電所2号機(ABWR、135万8000kW、2006年3月運開予定)で6日、新燃料集合体872体の装荷が完了し、燃料装荷が無事終了した。

 同2号機では4月26日より、原子炉内に燃料装荷が開始(=写真)されており、試運転に入っていた。

燃料装荷作業では、燃料集合体が所定の位置に装荷されていることを確認する燃料装荷試験・検査を行いながら順次、原子炉に装荷を実施。なお同2号機の総合進捗率は、装荷が開始された4月末で96.0%となっている。

 現在、同2号機では、(1)万一、一組(2本)の制御棒が挿入できない場合でも、残りの制御棒の挿入により原子炉が停止できることを確認する停止余裕試験・検査(2)制御棒を動かす機能を確認する制御棒駆動系試験・検査(3)タービンに異常が生じた場合に働く保安装置の動作に問題がないことを確認するタービン保安装置試験・検査C発電機の絶縁性能や警報発生装置・保護装置の動作に問題ないことを確認する発電機系試験・検査――などの「大気圧試験」を実施中。5月下旬に予定されている初臨界以降は、核分裂の熱によって原子炉を昇温昇圧し各種の試験を実施する核加熱試験段階に入り、7月上旬には初並列・20%出力試験を開始。8月に50%、9月に75%、10月に100%と順次出力を上昇させながら各種の試験を実施する。

 北陸電力初の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)となる志賀原子力発電所2号機は、1996年11月に第一次公開ヒアリング開催、翌97年3月開催の第134回電源開発調整審議会において、電源開発基本計画への組み入れが了承された後、98年10月に第二次公開ヒアリングが開催され、99年8月に着工されるなど、建設は着々と進められていた。

 一方、同社の志賀原子力発電所1号機(BWR、54万kW)は4月1日に発生した能登幹線鉄塔の倒壊により原子炉を停止していたが、4月22日に原子炉を起動させ、同27日には定格熱出力に達し、営業運転を再開した。


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