[原子力産業新聞] 2005年5月12日 第2282号 <2面>

[文部科学省] 放射性物質の発見相次ぐ お茶の水女子大他で

 文部科学省は4月28日、東京・文京区にあるお茶の水女子大学より、管理下にない放射性同位元素を発見したとの連絡を受けたと発表した。

 発見されたのは、(1)密封線源1個(ラジウム226、17メガベクレル)(2)粉砕、溶解された鉛214岩石(3)バイアル1本および、チューブ6本(トリチウム、数量不明ほぼ残量なし)――の3種。2月24日付け文科省からの点検依頼に基づく調査の結果、同大理学部一号館化学事務室および、同生活科学部研究室(ともに管理区域外)より発見されたという。なお、お茶の水女子大では、発見された放射性同位元素を直ちに放射線障害防止法上の管理区域である同大学のRI実験棟内廃棄物保管庫に移動・保管している。

 文科省では4月28日に、職員2名を現地に派遣し、現在の保管状況などについて調査を行い、安全が確保されていることを確認。また今回の事態に至る経緯と原因、さらには再発防止策等をとりまとめ、法令に基づく報告を行うよう同大に求めるなど、方針を示している。

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 文科省はまた、6日に東京・新宿区の東京都健康安全研究センターより、未登録のガラス瓶入り核燃料物質を保管しているとの連絡を受け、調査。同センターの放射線取扱主任者の指導の下、ビニール袋に収納された状態で、管理区域内の施錠管理された貯蔵室にある耐火性金庫内に保管されており、安全上問題のないレベルと確認し、同センターに対し、安全に保管するよう指導。また経緯等を調査し、今後の対応と併せて報告するよう求めた。

 また9日には静岡県立大学薬学部において、核燃料物質(ウラン重量約3186グラム)が発見されている。


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