[原子力産業新聞] 2005年5月12日 第2282号 <3面>

[米国] ユッカマウンテン施設 建設推進へ産業界がTF

 米原子力産業界は、ユッカマウンテンでの使用済み燃料処分場建設を推進するため、新たにタスクフォースを結成、4月25日にワシントンで記者会見を行った。

 放射性廃棄物戦略連盟が開いたこの記者会見で、同同盟、米輸送審議会、州規制当局、原子力事業者、企業代表組織を含む原子力機関が、ネバダ州ユッカマウンテンに使用済み燃料と高レベル放射性廃棄物の国営施設を建設するため、同タスクフォースを設立したと発表した。タスクフォースは、サウスカロライナ州公益事業委員会のD・ライト氏と元メイン州上院議長でメーン州の原子力安全顧問のC・プレイ氏が共同議長を務める。

 同タスクフォースは、ユッカマウンテン施設を公衆の健康と安全を維持しつつ、できるだけ早期に運転開始することを目指しており、プロジェクトを遅らせている三つの問題――DOEによる許認可申請の提出、放射線基準の作成、資金拠出を巡る上下両院の長年の膠着状態――の解決を目指す。

 資金問題の核心は、1982年に議会が成立させた放射性廃棄物基金にある。原子力発電所からの電力を使う顧客は、電力料金を通じて約70%の資金を供給し、DOEが防衛計画から出る廃棄物の処分に充当するため、残りの30%の資金を拠出する。米原子力エネルギー協会(NEI)は、ユッカマウンテン施設の建設時には、遅延をさけるために年間予算を10億ドル以上増やす必要があるとしている。

 NRCはDOEに対して、高品質な許認可申請を提出するよう求めているが、2004年7月に連邦裁判所が放射線防護基準はもっと厳格であるべきと裁定したため、この申請手続きは遅れている。


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