[原子力産業新聞] 2005年5月12日 第2282号 <3面>

[オーストラリア] 豪大臣、原子力「オプション」言及 原子力の利点強調

 オーストラリアの連邦教育科学雇用省のB・ネルソン大臣は、4月18日にシドニーで行われたスピーチにおいて、「オーストラリア政府は原子力導入計画を持たないが、将来を考慮して、あらゆるオプションを慎重に検討すべきだ」と述べた。同大臣によると、政府は、気候変動戦略に18億オーストラリアドル(約1500億円)を投資し、さらに何十億ドルが「低排出技術や再生可能エネルギーの研究のために民間から拠出されている」という。

 同大臣の発言の主旨は以下のとおり。

▽世界のウラン資源の約三分の一は、南オーストラリアのオリンピックダムにあり、世界のウラン生産量の19%を占め、2002年から2003年にかけて四億2700万ドルを稼いでいる。

▽世界の電力の16%を生産する原子力が排出する炭素はkWHあたり2〜6グラムだが、石炭、石油、天然ガスでは100〜360グラムである。今日の原子力は、年間6億トンの炭素排出量を回避しており、これは、地球全体の現在の温室効果ガス排出量の8%である。

▽ 原子力は、電力生産の他に淡水化にも利用できる。


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