[原子力産業新聞] 2005年5月19日 第2283号 <1面>

[参議院] 原子力関連2法案 可決、成立

 参議院は13日の本会議で、バックエンド新法と改正原子炉等規正法の原子力関連二法案を一括採決し、賛成多数で可決(=写真)した。経済産業省は関連政省令の整備を急ぎ、バックエンド新法は今年秋、改正炉規法は年内の施行を予定する。参議院本会議の投票総数は219票で、賛成は自民、民主、公明党など205票、反対は社民党など14票だった。

 参議院・経済産業委員会では10日と12日に原子力関連二法案を審議。中川昭一・経済産業相の趣旨説明に続き12委員が質疑、国のエネルギー政策やFBRを含む核燃料サイクル政策の確認、国民への理解促進策、経済産業省と環境省の役割分担、官民の役割分担、再処理凍結などIAEA議論に対する対応などを質した。民主党の各委員も核燃料サイクル政策推進の立場で質疑したが、社民党は国民の理解が十分に得られていないなどの理由から反対の討論を行った。

 同委員会は附帯決議を採択。バックエンド新法では、@核燃料サイクル政策は国の責務であり、具体的な将来展望を早期に示すよう努めることA資金管理法人の指定過程を明らかにし、十分な指導監督を行うことB原子力を始めとするエネルギー政策の遂行のため望ましい組織・体制の在り方の検討を進めること。

 改正炉規法については、@核物質防護検査制度は実効性の高い規定が策定・遵守されるよう事業者を指導・監督するとともに、従業員への人権侵害に対する検討を十分行うことAクリアランス制度は事業者の指導・監督により厳正な運用に万全を期すとともに、国民への周知徹底に努めること――としている。


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