[原子力産業新聞] 2005年5月19日 第2283号 <1面>

[全原協] 総会開く 原子力委と意見交換も

 全国原子力発電所所在市町村協議会(会長=河瀬一治・敦賀市長)は13日、都内で2005年度総会を開催(=写真下)、事業計画案などを承認するとともに原子力委員会と長期計画について意見交換した。

 冒頭、河瀬会長は「美浜事故は衝撃的で国民の信頼を失墜させた。経済性が求められるあまり安全への意識が薄れている。信頼の再構築は困難が伴うが、事業者は心血を注いで欲しい。長計でサイクル政策継続が確認され、立地地域としてこれを評価する」と挨拶。

 05年度事業計画では安全対策として、@安全規制の強化充実A高経年化対策B定期検査の充実C原子力政策の国民的合意形成D原子力防災対策の実効性向上Eテロ行為等の防護対策F使用済燃料敷地外貯蔵の早期具体化Gプルサーマル計画に対する適切な対応H放射性廃棄物の処理処分対策の早期確立――など。地域振興として、@電源三法の運用強化A市町村合併の場合の各種交付金の不利益防止B使用済核燃料税への支援C原子力発電施設への固定資産税の改善D核燃料税の市町村への配分――などを求めることを承認した。

 原子力委員会との意見交換では、近藤委員長が新計画策定会議での検討状況を報告。また私案とした上で、次期長計は原子力利用推進基盤、原子力利用、研究開発、国際関係の四本柱の政策体系で、8月までにドラフトを取りまとめ、全国各地でご意見を聴く会を開催する方針を示した。推進基盤の一つに位置づける地域との共生では、地域のイニシアティブがあり、それに事業者や国が協力するとの方針が次期長計のポイントとした。

 市町村長からは住民への情報提供のあり方、共生に対する国の関与、定検の柔軟性と安全確保などに関して質問や意見が出された。


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