[原子力産業新聞] 2005年5月19日 第2283号 <2面> |
[原子力安全委・部会] 美浜事故で最終報告取りまとめ原子力安全委員会の原子力事故・故障分析評価専門部会(部会長・中桐滋東大名誉教授)は4月26日、関西電力美浜発電所3号機二次系配管事故について最終報告をとりまとめ、28日の安全委に報告した。 原子力安全・保安院の最終報告を受け、その妥当性の評価について調査審議を行ったもの。それによると、今回の事故を品質保証確保の問題ととらえ、高経年化に対する対応や労働安全に関する取り組み等にも、その検討の対象領域を広げていることから、保安院の最終報告は妥当であると評価する一方、示された再発防止対策を確実に実行し、その状況を適時的確に社会に対し説明することが重要であると指摘。再発防止に向けて、事業者等のみだけでなく、労働安全に関しても保安院、厚生労働省の取り組みが十分に連携することを期待している。 また、安全確保の取り組みを確実なものとするため、施設の物理的な経年変化だけでなく、慣れや安全意識の欠如からくる組織・体制の経年変化についても留意し、安全文化の継続的な醸成と「常に問いただす姿勢」の維持・発展が重要としている。 再発防止対策を真に有効にするため、安全委には、@規制の仕組みを効果的に機能させるため規制行政庁の取り組みを監視・監査A国、事業者それぞれが事故・故障情報や技術情報等の共有化を図り、得られた知見を活かしていくことを検討――などに留意する必要を求めた。 最終報告と併せて、専門部会は、事故・トラブル事例や技術情報、事故分析手法の知見等の共有化のあり方、活用方策について調査検討を行う「事故・故障情報活用ワーキンググループ」の設置を決め、主査に平野雅司氏(原研東海研究所安全性試験研究センター原子炉安全工学部長)を選任した。 |