[原子力産業新聞] 2005年5月19日 第2283号 <4面>

[放医研とJASRI] 有機スズの生殖毒性解明へ

 放射線医学総合研究所と高輝度光科学研究センターは共同で大型放射光施設SPring-8を使用し、ラット精子中の微量スズの検出に成功した。特定細胞中のスズの測定は世界でも初めて。ラットへのスズ投与後、早期にスズが精子に移行することを解明した。

 微量スズの検出は、生体中に多量に含まれるカリウムやカルシウムの影響を受けない高エネルギー領域のナノビーム蛍光X線分析による成果。これまで有機スズ化合物の生殖毒性は、その作用機序が解明されていないが、今回の成果によりこの解明や予防策開発の糸口を見出すことが期待できるという。


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