[原子力産業新聞] 2005年6月2日 第2285号 <2面>

[環境省] CO2排出量 90年度以降で最高値記録 03年度分まとめ

 環境省は5月26日、03年度の温室効果ガス排出量をとりまとめた「2003年度(平成15年度)の温室効果ガス排出量について」を発表。03年度におけるわが国温室効果ガス(CO2)の総排出量は、02年度比0.7%(約900万トン)増、京都議定書基準年(1990年、約12億3700万トン)比で約1億200万トン増(8.3%増)の、約13億3900万トンとなり、1990年以降の排出最高値を記録したことを明らかにした。

 地球温暖化対策の推進に関する法律等に基づき取りまとめられたもので、CO2排出量の増減率を部門別に見ると、排出量の約4割を占める産業部門(工場等、工業プロセスを除く)における当該年度の排出は、90年度比で0.3%増加(対前年度比2.2%増)となったほか、運輸部門(自動車・船舶等)が同19.8%増(対前年度比0.7%減)、家庭部門が同31.4%増(前年度比2.1%増)業務その他部門(オフィスビル等)が同36.1%増(前年度比0.7%減)となっている。

 CO2排出量が90年以降最大を記録したことについて、環境省では原因として、東京電力における原子力発電の長期停止の影響を示唆。仮に長期停止の影響を受けていない設備利用率の計画値(84.1%)で運転が行われたとした場合、「CO2排出量は約6000万トン程度(京都議定書の基準年総排出量比で4.9%程度に相当)削減される」という試算を公表している。


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