[原子力産業新聞] 2005年6月2日 第2285号 <2面>

[北陸電力] 志賀原子力発電所 土木学会技術賞を受賞

 北陸電力が進めている、志賀原子力発電所建設プロジェクトが5月27日、04年度の土木学会技術賞を受賞した。

 原子力関連では初の受賞。志賀原子力発電所の建設にあたり、北陸電力では「能登半島に築く志賀原子力発電所――臨海地点における自然環境との調和への挑戦」をテーマに掲げ、「環境保全優先の施設設計」という新しいコンセプトのもと、@海洋環境を残すため、潮流を妨げない一文字式防波堤と出島式物揚場を組み合せ、港湾設備のコンパクト化を実現A岩礁海岸、県道をそのまま残すため、冷却用海水の取放水口を沖合いに出すとともに取放水路に海底トンネルを採用B温排水による海水の温度上昇範囲を小さくするため、沖合いの水深の深い所から高速で放水する、水中放水方式を採用C建屋高さを低く抑えるため半地下式とするとともに、周囲に緑化築堤を配置し、360度が緑で囲まれた発電所を実現――といったレイアウト・構造形式を採用。これらにより「自然と人へのやさしさ」を実現したことが評価され、今回の受賞に至った。

 土木学会技術賞とは、技術賞、環境賞、論文賞など12部門が設定され、土木の幅広い分野から選ばれる土木学会賞のうち、土木技術の発展に顕著な貢献をなし、社会の発展に寄与したと認められる画期的なプロジェクトに与えられる、最も栄誉ある賞。

 1965年以降、これまでの40年間で206件(うち電力関係では東京、関西、北海道、四国、電発が26件)表彰されているが、原子力関連の表彰は、今回が初めて。


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