[原子力産業新聞] 2005年6月9日 第2286号 <1面>

[産構審地球環境小委] 原子力CDMで議論 日本の取組み強化求める

 産業構造審議会・環境部会の地球環境小委員会は5月27日、第27回会合を開催、京都議定書目標達成計画の説明を受けるとともに、京都メカニズムの本格活用を議論した。京都メカニズムでは、CDMに原子力を含める働きかけを求める意見が出された。

 4月28日に閣議決定された京都議定書目標達成計画の中で、原子力は、@建設中の3基を2010年度時点で着実に稼働するよう事業者の取組みをフォローアップするA原子力への投資が確保されるための投資環境を整備するB核燃料サイクルの着実な実施に向け、バックエンド事業の適正な実施のための法整備、外部積立て方式の使用済燃料再処理準備金制度の創設を行うとともに、事業者が進めている再処理事業、プルサーマル計画、高レベル放射性廃棄物の最終処分事業などが着実に推進されるよう積極的に支援するC安全確保を大前提とした科学的・合理的な運転管理を実現する――などが盛り込まれた。

 電力分野の排出削減見込量1700万トン―CO2を達成するには、原子力の設備利用率87〜88%が必要としている。

 一方、京都メカニズム本格活用の議論では、「原子力CDMに対しフランスなどでも動きがあり、日本も実現を目指した取組みの強化が必要」(秋元勇巳委員・三菱マテリアル名誉顧問)、「安全確保という課題があるが、原子力CDMを多角的に検討して欲しい」(勝俣恒久委員・電事連会長、代理出席)などの意見が出された。

 このほか5月16、7日にボンで開催された気候変動に関する政府専門家セミナーの概要が説明され、この中でルーマニアが原子力CDMを考えるべきとの意見を述べ、今後検討される見通しとの報告もあった。


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