[原子力産業新聞] 2005年6月16日 第2287号 <2面>

[保安院] CRD配管等ひび割れで点検結果は「妥当」

 発電用の原子炉施設を有する事業者に対し、制御棒駆動水圧系配管(CRD配管)等の点検結果を報告することを求めていた原子力安全・保安院は10日、各事業者が行った点検結果及び今後の点検方針は、「妥当なものであると考える」とする見解を発表した。

 02年に、東京電力・福島第一原子力発電所3号機などにおいて発生したCRD配管ひび割れの原因が、海塩に起因する粒内型応力腐食割れによるものと推定されたことに対応する措置として、保安院では02年11月、事業者に対してCRD配管やCRD配管以外のステンレス製配管、さらには海水系配管の下部にあるステンレス製配管等の点検を行い、その結果を報告することを求めていた。

 各事業者による点検の結果、@BWRのCRD配管の目視点検では、13プラント(4事業者)で錆等が確認され、塩分量測定では基準値を上回る箇所が確認されたのは、7プラント(3事業者)。その後の浸透探傷検査では六プラント(1事業者)で有意な指示が確認されたABWR及びPWR等の、CRD配管以外のステンレス製配管の目視点検では12プラント(六事業者)で錆等が確認され、また、塩分量測定では基準値を上回った箇所が確認されたのは、22プラント(7事業者)であった。その後の浸透探傷検査では5プラント(一事業者)で有意な指示が確認されたB海水系配管の下部にあるステンレス製配管にあっては、問題となるようなプラントはなかった――となっており、各事業者においては確認されたひび割れ等に必要肉厚を下回るような配管はなかったものの、予防保全の観点から配管の取替、手入れ(磨き)等により錆の除去等が、7プラント(1事業者)で行われているほか、建設時の塩害対策はもちろんのこと、今後とも引き続きステンレス製配管の点検、清掃を実施する方針を打ち出している。


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