[原子力産業新聞] 2005年6月16日 第2287号 <4面>

[消防研究所] 救助支援小型ロボット開発

 独立行政法人消防研究所は、災害現場における消防活動、救助活動を支援するロボットの研究開発を推進するために、研究開発に活用できるユニット化された移動ロボットベースを開発した。

 「FRIGO(フライゴー)」と名付けられたロボットは、幅34センチ、長さ37.5センチ、高さ12〜20センチ、重量6〜12キロと小型で、ゲームパッドを利用しパソコンから無線LAN経由で操縦できる。災害環境下において有効な移動機構であるクローラを採用。また研究開発環境を考慮し、PC互換コンピュータボード、LINUX、PCIバスを採用した高拡張性コンピュータ積載タイプ、コンピュータを本体内に内蔵した組み込みタイプを併せて開発。研究開発および実戦使用に対応した総合システムとなっている

 本体に計測器などを搭載し作業員に先行して計測を行い、原子力施設において危険区域の設定等に利用できる。また将来的には、原子力施設等で事故が発生した際に、複数のロボットによるチームを編成し、放射能等を防ぐ防護壁を構成したり、倒れている人を牽引して救出する作業も可能にしていくという。

同研究所では今後、開発した移動ロボットベースを自治体消防や研究機関向けに商品化するとともに,移動ロボットベースを利用した共同研究の募集を予定している。


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