[原子力産業新聞] 2005年6月23日 第2288号 <2面>

[政府] 科学技術白書を閣議決定

 政府は10日、04年度版の「科学技術の振興に関する年次報告」(05年版科学技術白書)を、閣議決定した。

 科学技術基本法に基づき刊行されるもので、当該年度において科学技術の振興に関して講じた施策について、報告が行われている。

 具体的には、第一部は「わが国の科学技術の力――科学技術基本法10年とこれからの日本」と題し、二十世紀に先進国で進歩した科学技術が、@知的・文化的価値A経済的価値B社会・公共的価値――をもたらし、わが国の近代科学・技術者も大いに貢献してきたと指摘。その上で、科学技術が国民生活の向上、経済発展、社会的課題への対応などに大きく寄与してきたとしている。

 一方今後に向けて、「科学技術が社会や国民に受容され、信頼と支持が得られるようにするには、行政、研究機関、研究者等が社会や国民との対話型コミュニケーションの推進に取り組んでいく必要がある」として、科学技術の振興を通じた「科学技術創造立国」を目指すわが国としては、科学技術力という「ソフトパワー」を最大限に活かし、豊かで活力のある社会を構築するとともに、「新たな知の創出と人類共通課題の解決に貢献し、存在感・信頼感のある国を目指していくべき」と強調。

 そのため、世代を超えた「未来への投資」として、「科学技術の一層の振興とその基盤となる『教育・人材立国』の実現に努めていく必要があり、国民的な合意を形成していくことが、今、求められている」と結んでいる。

 また第二部「海外及び我が国の科学技術活動の状況」では、研究費、研究人材などといった、科学技術に関する指標による主要国(米、英、仏、EU)とわが国の比較等を行うことにより、わが国科学技術活動の特色の概観を浮き彫りにしているほか、国の科学技術活動の姿を的確にとらえるため、OECDやわが国においてに行われている、新たな指標の開発等について紹介されている。

 さらに第三部では、当該年度に科学技術の振興に関して講じられた施策について、第二期科学技術基本計画に沿って紹介が行われている。


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