[原子力産業新聞] 2005年6月23日 第2288号 <3面> |
[ウクライナ便り] 2030年までに11基の建設計画【キエフ松木良夫】ウクライナのニュースによれば、5月8日、ユリア・ティモシェンコ首相は、ウクライナ国営原子力公社エネルゴアトム幹部との会談で、2030年までにさらに11基の原子炉を新規に建設する方針を決定したと伝えられる。今のところこれ以上の情報は無いが、ウクライナの原子力開発については、それなりの必然性がある。 ウクライナでは現在15基の発電用原子炉が運転されており、老朽化した火力発電所の稼働率が落ちている分だけ、原子力への依存度が高まっており、実質的シェアは40%とも言われる。しかしこれら15基の中からは、30年の設計寿命に達するものが間もなく出はじめる。 またウクライナではウランと石炭を産出するが、石油とガスのほとんどはロシアなどの外国からの輸入に依存している。 5月13日にウクライナ経済省は、A―九五ガソリン1Lあたりの推奨価格を、2.99フリヴニャ(約65円)から3.20フリヴニャ(約70円)に引き上げた。これはこのところ続いているウクライナ国内における石油不足対策として行われたもの。政府はこの状況を打開するため、現在、カザフスタンなどから緊急の石油追加購入を行っている。 一方、5月26日にはボドマン米エネルギー省(DOE)長官がウクライナを訪問し、ユシュチェンコ大統領と会談、ウクライナの原子力開発と、放射性物質の拡散防止強化を話し合い、これに関する二国間協定(ウクライナの放射性物質の保安維持状況を改善し、国際的な放射性物質の拡散防止目標を達成するための相互協定)を結んだ。 |