[原子力産業新聞] 2005年7月7日 第2290号 <1面>

[日本原子力発電] 実用FBRで報告

 日本原子力発電は6月27日、実用FBRに必要な設計手法の高度化と三次元免震技術の研究成果について、経済産業省の事後評価検討会に報告した。

 この技術開発は、原電が経産省資源エネルギー庁からの受託事業により2001年度から04年度まで「発電用新型炉技術確証試験」として進めていたもの。現在、オールジャパン体制で進むFBRサイクル実用化戦略調査研究では、高い信頼性と経済性を備えた各種の実用FBR概念を検討しているが、今回の技術開発はこの信頼性と経済性を達成するための枢要技術になる。

 設計手法の高度化は構造設計基準高度化、新材料基準化、システム化規格開発の3テーマ。構造設計基準では非弾性解析法を全面的に採用し、これまでのトラブル事例等から採り入れるべき損傷形態を考慮した設計手法を整備。新材料では熱膨張が小さく高温強度に優れる12Cr鋼の材料強度基準を整備した。

 三次元免震技術に関しては同技術の実現性や今後の基準化を目指して検討。建屋全体ではローリングシール型空気バネに油圧式ロッキング抑制機構を組み合わせた方式を選定、機器上下では皿バネを使用したシステムの各種試験を実施、それぞれ設計方針書案を策定した。


Copyright (C) 2005 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.