[原子力産業新聞] 2005年7月7日 第2290号 <2面>

[北陸電力] 志賀2号機が初並列 20%電気出力試験開始

 北陸電力が建設を進めている志賀原子力発電所2号機(ABWR、135.8万kW)は、4日午前11時、試運転段階での発電を開始し、初並列した(=写真)。

 北陸電力初のABWRであると同時に、同社最大の発電ユニットとなる志賀2号機は、5月6日に燃料装荷を終了後、同月26日に初臨界。同30日から核分裂反応により生じたエネルギーで原子炉の圧力・温度を定格に高めるとともに、発生した蒸気をタービンへ送りタービンの運転状態を確認する「核加熱段階」として、減速材温度係数測定試験・検査、制御棒駆動系試験・検査、原子炉隔離時冷却系試験・検査といった検査を、順調に行っていた。

 今後は試運転段階を一歩進めた「20%電気出力段階での確認」として、@タービンに異常が生じた場合に働く保安装置の動作に問題ないことを確認する「タービン保安装置試験・検査」A主要な系統が所定の性能で運転できることを確認する「系統運転性能試験・検査」B送電線に落雷が発生した状態を模擬し、発電機からの送電を停止させ、その際に原子炉の運転に異常のない事を確認する「負荷遮断試験・検査」C送電線からの電力供給を断った場合、ディーゼル発電機の運転等により、原子炉が安全に停止する事を確認する「外部電源喪失試験・検査」――が行われる。

 また志賀2号機は今後、来年3月の営業運転を目指し、出力を8月には50%、9月には75%、10月には100%と徐々に上げながら、各段階における検査を行っていく予定だ。


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