[原子力産業新聞] 2005年7月7日 第2290号 <3面>

 国際原子力機関(IAEA)はこのほど、ラトビアの首都リガ近郊のサラスピルスにあるラトビア物理学研究所原子炉から、3キログラムの兵器級高濃縮ウラン新燃料を撤去、供給国のロシアに空輸したと発表した。

 これは、米国が支援する全世界脅威削減構想の一環として、ラトビア、ロシア、米国、IAEAが協力し行われたもの。高濃縮ウランは希釈して低濃縮ウランに変えられる。

 同研究所には5MW研究炉があったが、7年前に停止、現在は部分的に解体された状況にあり、2010年までに解体する計画。その際には使用済み燃料もロシアに返還される予定だ。

 少量の高濃縮ウランでも、安全に保管するためには非常に高価なセキュリティコストがかかるため、同研究所では、「ソ連時代の遺産」として、ロシアへの返還を望んでいた。


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