[原子力産業新聞] 2005年7月21日 第2292号 <2面>

[宇宙航空研究開発機構] X線天文衛星を搭載 MーXロケット打ち上げに成功

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、10日にX線天文衛星「ASTROーEU」を搭載したM−Xロケット6号機(重量140トン、全長31m)が鹿児島・内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、所定の軌道に入ったと発表した(=写真、JAXA提供)。

 「ASTRO−EU」は、X線による宇宙の様々な高エネルギー現象の観測を目的とした、わが国5番目のX線天文衛星で、軟X線から硬X線にかけての広い波長域をカバーするとともに、これまでにない高い分光能力を持ったX線検出器を搭載して、世界最高水準の観測を行うことができる。衛星に搭載する@X線反射鏡A高分解能X線分光計BX線CCDカメラC硬X線検出器――を用いて、宇宙の構造形成過程やブラックホールの周辺現象と時空構造を解明することがこの計画の主目的だ。

 「ASTROーEU」の計画軌道は、高度約570km、軌道傾斜角32度の略円軌道で、1日に地球を15周する。

 なお打ち上げられた衛星は「すざく」と命名された。


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