[原子力産業新聞] 2005年7月28日 第2293号 <3面> |
[ベトナム] 原子力長期戦略を原則承認ベトナム政府が、2020年までの原子力発電導入を含む原子力長期戦略を原則承認していたことが、このほど明らかになった。 5月31日に開かれたベトナム政府の定期閣議で、科学技術省が2020年までの原子力平和利用長期戦略を報告。副首相は原子力がベトナムの経済発展にとって重要であり、2020年年までに原子力発電導入が必要と結論づけた。 しかし、原子力関係の法整備と人材育成の必要性が指摘され、長期戦略の一部修正案を首相に再提出することになった。5月は渇水期で電力不足がひどい時期でもあり、閣僚からは原子力発電導入に賛成の声があがったという。 閣議に報告された長期戦略は、ベトナム原子力委員会(VAEC)がまとめたもので、医療・農業等の放射線利用産業の発展と、原子力発電導入に関する長期計画を示したもの。修正後、首相の署名を得て、正式なものとなる。 ベトナム工業省は、海外の協力を得ながら、原子力発電導入に関するプレ・フィジビリティ・スタディ(プレFS)をまとめているが、ベトナムの国家エネルギー政策の改定が遅れており、プレFSは首相府にまだ提出されていない。しかし今回、原子力長期戦略が閣議によりおおむね了承されたことで、ベトナムの原子力発電導入にはずみがつくものと期待される。 |