[原子力産業新聞] 2005年8月25日 第2296号 <1面>

[原産] 原子力・エネの重点化要望 科学技術会議に提出

 日本原子力産業会議は12日、国の科学技術政策の指針となる第3期科学技術基本計画の策定を進めている総合科学技術会議に対し、エネルギーを重点対象分野に取り上げるとともに、原子力を国家基幹技術として位置付けるよう求める要望書を提出した。

 要望書は、原子力は持続的発展に適した技術エネルギーであるが、近年、原子力の研究開発への投資が国と民間の双方において減少、原子力利用の基盤が脆弱化する懸念が生じていると指摘。新知見をもたらす研究開発が促進され、技術を継承する人材の確保が重要であるとして、これらを実現するために、国の総合的な科学技術政策における措置が求められるとした。

 第3期基本計画においては、長期的視野から戦略的に研究開発投資を行うべき領域であるエネルギーを重点分野対象とするとともに、高速増殖炉サイクルや高温工学等の革新的原子力システムおよび核融合について、国家基盤を強化する基幹的な技術として明確に位置付けるよう要望した。

 高速増殖炉や核融合炉等の高度な原子力エネルギーシステムの研究開発活動について、本年10月に発足する日本原子力研究開発機構を核とし、産業界や学界が緊密に連携し活性化を図ることが期待されている。要望書では、こうした研究開発の特徴として、大規模施設が必要であり、集中的な研究開発投資と施設の運転維持費用が多額にのぼることを指摘。その上で、その特性を十分配慮した資源の配分と研究開発を推進する制度整備を求めている。


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