[原子力産業新聞] 2005年8月25日 第2296号 <3面>

[IAEA] インド洋大津波教訓に カルパッカムで国際WS

 国際原子力機関(IAEA)は8月29日から9月2日まで、インドのカルパッカムで、昨年12月にインド洋を襲い多数の犠牲者を出したインド洋津波を教訓に、「原子力発電所サイトへの洪水の危険性に関する国際ワークショップ」を開く。これは、IAEAがインド原子力発電公社、インド原子力規制機関と協力して開くもの。

 インド政府によると、カルパッカムの原子力施設では、この津波で作業員1人が死亡、同宿舎で37人が犠牲になったという(写真は津波後のカルパッカム市内の模様)。

 カルパッカムでは、マドラス原子力発電所(PHWR、17万kW、22万kW、各1基)が運転中であるほか、高速増殖炉実験炉FBTR(1.3万kW)が運転中、さらに、高速増殖炉原型炉PFBR(50万kW)が建設中だ。

 昨年12月26日の津波のさい、冷却水としている海水の水位が上昇したことから、運転中の原子力発電所は自動的にトリップし、原子力施設からの放射能漏洩等はなかった。しかし、PFBRの建設現場やFBTRのポンプ室には、海水や汚泥が流れ込んだ。

 IAEAはこの津波による影響は国際原子力事象評価尺度(INES)でゼロと評価、同炉は今年1月1日に運転を再開している。

 国際ワークショップには、日本、米国、中国、欧州など15か国から83名が参加、各国の原子力発電所における津波対策等についてプレゼンテーションを行う。また、津波危険性の評価手法に関するセッション、津波警報システムと緊急時計画に関するセッションも行われる。


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