[原子力産業新聞] 2005年9月1日 第2297号 <1面>

[三菱重工] 仏からSG6基を受注

 三菱重工業はこのほどフランス電力公社(EDF)から、PWRの取替用蒸気発生器(SG=写真)6基を受注した。日本メーカーがフランスから原子力発電設備の主要機器を受注するのは今回が初めてで、EDFも海外メーカーに初めてSGを発注する。受注額は百数十億円、09年と12年に各3基引渡す予定。

 三菱重工が受注したSGは高さ21m、総重量約300トン。低合金鋼(マンガン・モリブデン・ニッケル鋼)製の耐圧容器の内部に、特殊熱処理により耐腐食性を高めたインコネル合金(ニッケル・クロム・鉄合金)製の伝熱管を1基あたり4000本以上設ける。

 今回の契約に現地での据付け工事は含まれず、EDFは設備更新計画に基づき、80年代に運転を開始した90万kWクラスPWRのSG取替え工事に使用する予定。1プラントに3基のSGを使用する。

 三菱重工によると、EDFは今回、5プラント分・合計15基のSGを国際入札。同社、仏・フラマトム社、米・ウエスチングハウス社の3社が応札し、同社が6基、フラマトム社が9基受注した。

 同社は海外での原子力発電機器の販売拡大に取組んでおり、取替用SGではこれまでにベルギーのチアンジュ発電所1・2号機とドール2号機、米国のサンオノフレ発電所2、3号機向けなど、合計14基の受注実績がある。フランスでは現在、合計58基のPWRが運転されており、同社では今回の受注を機に、同国での営業活動をさらに強化する方針。


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