[原子力産業新聞] 2005年9月1日 第2297号 <2面>

[原子力安全委] 玄海3・MOXを妥当と答申

 原子力安全委員会は8月29日、九州電力の玄海3号機(PWR、118万kW)でのプルサーマルについて、原子炉等規制法の許可基準に適合していると経済産業省に答申した。翌30日には、原子力委員会も平和利用等で妥当と答申。経産省は早ければ来週にも、この原子炉設置変更を許可する運びだ。

 九州電力は、玄海3号機で2010年度を目途にプルサーマルを実施するため、04年5月、国に原子炉設置変更を申請し、あわせて地元の佐賀県、玄海町に安全協定に基づく事前了解願いを提出した。

 これまで九電は、200回以上の訪問・説明活動、新聞・テレビ広告等を行ったほか、2月の「プルサーマル公開討論会」(佐賀・玄海町)では、隣接する長崎県を含めて600名を越す住民を集めるなど、地元への理解活動に努めてきた。

 玄海3号機には、取り替え燃料の一部として、MOX燃料集合体を最大48体(約四分の一相当)装荷する。2月に経産省のダブルチェック諮問を受け、安全委員会による審議は、審査会に指示せず委員会直轄で行われた。

 わが国のプルサーマル計画が国の安全審査を通過するのは、関西電力の高浜発電所3、4号機、東京電力の福島第一3号機、同柏崎刈羽3号機に続き五基目。この他、四国電力は10年までの伊方3号機へのMOX燃料装荷を目指し、国に許可申請を提出している。


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