[原子力産業新聞] 2005年9月22日 第2300号 <1面>

[総合資源エネ調査会] 原子力部会・放射性廃棄物小委 最終処分地確保を議論

 総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会原子力部会の放射性廃棄物小委員会は16日、第3回会合を開催、高レベル放射性廃棄物の最終処分地確保のあり方などを議論した。原子力発電環境整備機構(NUMO)の伏見健司理事長が現状を報告、各委員からは地域振興策との関係、調査段階での交付金、広報活動など様々な意見が出された。

 会合ではエネ庁が、文献調査段階(単年度2.1億円)や概要調査段階(単年度20億円)での交付限度額等の現行制度、来年度予算概算要求の地域支援措置の充実策などを説明。伏見理事長は、これまでに応募検討が報道された地域が、福井県・和泉村、高知県・佐賀町、熊本県・御所浦町、鹿児島県・笠沙町、長崎県・新上五島町の5町村あることともに、地域共生モデルプランの具体例などを報告。一部町村は引続き検討を継続しているとした。

 委員からは、「原子力発電所と横並び的な交付金制度だが、最終処分場は次元が異なる事業であり、独自制度が必要ではないか」(井川委員)、「まず適切な場所であることを説明し、地元の意見を聞き地域共生を考えることが重要。迷惑施設との認識では進まない。風評被害対策も重要で、交付金が先行すると質の低い議論になる」(松田委員)、「交付金は電気を利用する国民全体からの報酬であり、お礼であるというマインドが必要」(河田委員)、「風評被害への対応が重要。事業は未知の部分があり、非常に長期という点を考えるとインセンティブが必要」(小幡委員)、などの意見が出された。処分地確保については年内に追加報告を受け、更に議論を深める方針。


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