[原子力産業新聞] 2005年9月22日 第2300号 <3面> |
[米NRC] 中間貯蔵施設でユタ州請願を却下米原子力規制委員会(NRC)は9日、プライベート・フュエル・ストレージ社(PFS)がユタ州で計画している使用済み燃料中間貯蔵施設について、この建設・操業許可の却下を求めるユタ州の請願を却下、NRC事務局に規則に基づき建設・操業許可を発給するよう命じた。 PFSは、ユタ州スカルバレーにあるインディアン・ゴシュート族のスカルバレー保留地に、4万トンの使用済み燃料乾式貯蔵施設の建設・運転を計画している。同社は許可申請を1997年6月にNRCに提出、NRCは2002年1月に環境影響報告書を、同3月に総合安全評価報告書を発表していた。 ユタ州は、この地域がヒル空軍基地に近く、年間6000機のF16が上空を飛行し、墜落した際は重大な放射能放出を引き起こすとして、NRCの原子力安全許可控訴パネルが今年2月、同州の訴えを退けた決定を見直すよう求めていた。 PFSは、すでにNRCの認可を得ているホルテック・インターナショナル社のHI−STORM100を最大4000基使った中間貯蔵施設を計画している。このキャスクは、鋼鉄製キャニスタに10の使用済み燃料を収納できるもので、キャニスタはさらに、厚さ60cm以上のコンクリートと鋼鉄による二重のオーバーパックで覆われている。使用済み燃料を収納した重さは約180トン。 PFSが建設を進めるためには、NRCからの許認可のほかに、同社とゴシュート族との間の土地賃借契約に対してインディアン保護局から許可を得るほか、土地管理局から同施設への鉄道敷設に関わる通行権を取得する必要がある。 |