[原子力産業新聞] 2005年10月6日 第2302号 <1面> |
[IAEAとNEA] 廃棄物処分国際会議が開幕国際原子力機関(IAEA)は3日〜7日、東京・お台場の日本科学未来館で「放射性廃棄物処分の安全性に関する国際会議」を開催、65か国・215名の海外参加者を含め、365名が参加した。 この会議は、OECD・NEAが共催、原子力安全・保安院がホストを務め、原子力安全基盤機構(JNES)が協力して開かれるもの。2000年のスペイン・コルドバ、2002年のウィーンに引き続き、今回が3回目の開催となる。 開会の挨拶で広瀬研吉・原子力安全・保安院長は、再処理を基本とする日本の原子力政策および核燃料サイクル政策を説明、また国際的な基準に基づき、極低レベル廃棄物のクリアランス制度やTRU廃棄物の処分基準等の整備を進めていると説明した。 同氏はさらに、日本が中心となってIAEAで進めている「アジア原子力安全ネットワーク」プログラムにおいて、廃棄物問題を新たに扱うことを明らかにした。同ネットワークは、日、中、韓および東南アジア5か国を中心として、経験と専門知識をアジアで共有しようというもの。資金の9割程度を日本が拠出しているが、米・仏はスタッフを派遣。これらの国やオーストラリア、スペイン等も、このネットワークに入っている。今後、インド、パキスタン、バングラデシュなども加盟する予定だ。 IAEAの谷口富裕事務次長(原子力安全・セキュリティ局担当)は、ロシア、中国、インド等の積極的な原子力発電計画を指摘、これに伴い放射性廃棄物の増加も予想されるとして、この会議がまさに適切な時期に開かれることを強調した。 同氏は、原子力産業界が社会から常に「放射性廃棄物を安全に管理・処分できるか」との問いを突きつけられているとし、原子力安全や放射性廃棄物を巡る国際条約と枠組み、国内および国際的な取組みを挙げた上で、「安全に管理・処分しうる」と強調した。 この会議では7日まで、「処分の安全性―国際的及び各国の展望」、「放射性廃棄物処分施設の安全性」、「規制管理と安全上の課題に対するコミュニケーション」などのセッションが開かれる。また、7、8日にはそれぞれ、原電・東海発電所と日本原燃・低レベル放射性廃棄物埋設センター等への訪問も行われる。 |