[原子力産業新聞] 2005年10月6日 第2302号 <3面>

[運転速報] 上半期設備利用率70.9% 9月の利用率は67.4%に下降

 日本原子力産業会議の調べによると、国内原子力発電所の05年度上半期の運転実績は、平均設備利用率が70.9%と、昨年同期の72.7%には及ばぬものの、関西電力の高浜2号機が104.6%の高利用率をマークしたほか、計15基の発電炉が利用率100%を越えるなど、遜色ない水準となった。また、時間稼働率は69.1%と昨年の72.2%を下回った。本年度上期の稼働状況を9月分と合わせて図表に示す。炉型別・電力会社別の設備利用率は9月の数値である。

 05年度上半期の発電電力量合計は、1466億8368万5000kWhで、利用率とは逆に昨年同期の1461億2988万1000kWhをやや上回っており、前年に比べて、出力の大きい発電炉の稼働状況がよかったことがうががえる。例えば、認可出力100万kW以上の発電炉に限ると、時間稼働率は71.8%なのに対し、同100万kW未満は66.9%である。

 9月の運転実績だが、平均設備利用率、時間稼働率ともに67.4%と、盛夏需要期を過ぎいずれも前月より7.1ポイントの下降となった。発電電力量の合計は228億6097万6000kWhだった。今期、25基の発電炉が100%以上を記録、最高は関西電力の高浜2号機の104.1%で、月ごとの数値で同機はこれで7か月連続して首位に立った。

 定期検査中の発電炉で期間中に運転を再開したのは、日本原子力発電の東海第二など計4基だ。

 なお、東京電力の柏崎刈羽発電所は、1号機が85年9月に営業運転を開始してから当月で20年を迎え、累計の発電電力量は8月末で約7067億kWhと、昨年度に東京都全体が使用した電力量の約9年分にあたるエネルギーを生産するとともに、CO2排出抑制にも貢献してきた。これについて、千野宗雄同所長は、「今後とも、発電所の安全・安定運転を続けるとともに、地元の産業・企業の一員として地域の発展に貢献し信頼される発電所となっていきたい」と述べている。


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