[原子力産業新聞] 2005年10月13日 第2303号 <2面>

[原子力委] 原子力大綱を決定 14日にも閣議決定へ

 原子力委員会は11日、臨時会議を開催し、新計画策定会議が取りまとめた原子力政策大綱案を同委員会として正式に決定した。策定会議案としては反対意見を添付したが、原子力委員会決定の大綱としては同意見を添付しないことも決定した。今月14日にも閣議決定される見通し。

 臨時会議では主に、策定会議案に添付された伴英幸委員の反対意見および吉岡斉委員の意見書の取扱いについて審議。原子力委員からは、「反対意見も盛り込めるものは盛り込んだ大綱としている」、「策定会議での議事内容は全て公開されており、どのような反対意見が出されたか閲覧できる」、「反対意見を添付することは、マジョリティーとしての大綱本文を不透明にし、大綱の趣旨にそぐわない」などの意見が出され、大綱に少数意見を添付しないことを決定した。

 正式決定により、原子力委員会は大綱を内閣総理大臣に報告、早ければ14日に閣議決定の見通し。これにより大綱に盛り込まれた原子力発電の位置付け、再処理を基本とする核燃料サイクル、FBRの開発、放射性廃棄物への取組みなど、様々な施策に対する具体策の策定作業が関係各省庁で本格的に進められることになる。

 なお大綱は今月7日に開催された自民党のエネルギー関係合同会議で近藤駿介委員長と内閣府の塩沢文朗・大臣官房審議官がその意義と内容について説明、同会議としてもこれを了承している。


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