[原子力産業新聞] 2005年10月13日 第2303号 <3面>

[仏アレバ] 米市場に本格進出 米国版EPR売込み

 欧州を中心に欧州加圧水型炉(EPR)の建設を進めている仏アレバ社はこのほど、米電力と新会社を設立し、新規原子力発電所建設への動きが盛んな米市場へ本格的に乗り出した。

 これは、仏アレバの米国子会社アレバ・インクと、米メリーランド州を本拠とする電力会社コンステレーション・エナジーが、「ユニスター・ニュークリア」社をジョイントベンチャーとして設立したもの。

 ユニスターは、EPRの米国版「米国革新的動力炉(US・EPR)」(160万kW、PWR)の建設を目指す。同社には、米ベクテルがアーキテクトエンジニア兼建設業者として参画する。2008年春に建設・運転複合許認可(COL)を米原子力規制委員会(NRC)に申請、2001年の建設開始、2015年の運転開始を目指している。

 コンステレーションは、同じく新規原子力発電所建設を目指すコンソーシアム「ニュースタート」社にも参加。コンステレーションの所有するカルバートクリフスとナインマイル・ポイントの両原子力発電所サイトが、ニュースタートの新規原子力発電所サイト候補として挙げられていた。

 コンステレーションは15日、今後もニュースタートには参加を続けるものの、同社の二サイトについては、US・EPRの建設を目指すとした。

 

 ユニスターの共同CEOには、コンステレーション・エナジー副社長のM・ウォーラス氏と、アレバ・インクのT・クリストファー氏が就任。ウォーラス氏は、「最近エネルギー政策法が成立したことにより、米国で新規原子力発電所を建設する時が来たと信じている」とし、ユニスターが、新規原子力発電所の設計から、建設、許認可、運転まで1社で引き受ける新しいビジネスモデルを作るとの意気込みを示した。

 アレバは今年3月、NRCに対し、米国版EPRの設計認証を2007年末までに申請する意志を伝えている。EPRは、フィンランドで建設中、仏フラマンビルでの建設も決まっている。


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