[原子力産業新聞] 2005年10月20日 第2304号 <1面>

[東電・原電] 青森県・むつ市と立地協定調印 中間貯蔵施設で

 東京電力と日本原子力発電は19日、青森県およびむつ市との間で、使用済み燃料中間貯蔵施設(リサイクル燃料備蓄センター)の立地協力に関する協定に調印した。青森県の三村申吾知事は同日午前会見し、立地受入れを正式に表明。むつ市の杉山肅市長とともに東電と日本原電に協定書案を提示し、同日調印となった。両社は今後一か月程度で新会社を設立、2010年までの操業を目指し、許認可申請をはじめ具体的な建設準備を進める。

 三村知事は会見で、立地受入れについて、「わが国の基本方針である核燃料サイクル政策の推進に不可欠な施設であり、安全確保を第一に受諾を決定した」と説明。協定書には、貯蔵期間終了までの使用済み燃料の搬出、品質保証体制の整備などが明記されている。

 知事は今月7日から13日にかけて関係閣僚などに、再処理を基本方針とする核燃料サイクル政策の推進や施設が永久貯蔵につながらない点などを確認。14日に東電の勝俣恒久社長と日本原電の市田行則社長を県庁に招き、50年後までの確実な搬出や品質保証体制への取組みなどについて最終確認した。18日には最終判断するための県三役関係部長会議を開き、受入れを決めた。

 新会社がむつ市関根地区に建設する中間貯蔵施設は、最終的な貯蔵量が5000〜6000トン。施設毎、金属キャスク毎ともに使用期間は最長50年で、操業開始後40年目までに貯蔵した使用済み燃料の搬出について協議する。当初三千トン規模の貯蔵建屋を1棟建設、その後2棟目を建設する。事業費は約1000億円。年間200〜300トンの使用済み燃料を、4回程度に分けて搬入する。

 同施設は、東電と日本原電の原子力発電所から発生する使用済み燃料を貯蔵するが、全国初の中間貯蔵施設の立地が決定したことから、今後、福井県・美浜町など、ほかの地域での検討が進展することも予想される。


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