[原子力産業新聞] 2005年10月20日 第2304号 <3面> |
[米国] 全米64原子力発電所サイトで調査 地域住民76%が追加建設を支持全米64の原子力発電所サイト周辺住民は、その他の一般市民に比べて原子力への支持率が高く、また、既設サイトへの新規原子力発電所の増設を支持していることが分かった。 これは、米原子力エネルギー協会(NEI)の委託を受けて、ビスコンティ・リサーチ社とクエスト・グローバル・リサーチグループが、今年8月に初めて行った世論調査で明らかになったもの。 各原子力発電所から10マイル(16km)以内に住む住民について、1サイト18人、合計1152人の世論調査を行った。誤差は+13ポイント。また、電力会社に勤務している人は調査対象から外された。 周辺住民のうち76%が現存サイトに新規原子力発電所の追加建設を支持しており、NEIは、「うちの裏庭にはお断り(NIMBY)」現象は見られないとしている。建設に反対したのは22%。 また、住居から最も近い原子力発電所の安全性について85%が高い評価を与え、88%が安全な運転に確信を持っているとする。(詳細は表参照) この結果についてA・ビスコンティ氏は、「ほとんどの地元住民は、地元の原子力発電所を支持しているとの従来からの見方が裏付けられた」とし、「周辺住民が原子力発電所に馴染んで前向きにとらえていること、地域コミュニティに利益を与えていることから、『NIMBY』は、既設プラントにはあてはまらない」と分析している。 NEIは、原子力に「きれいな大気、信頼性があり経済的なエネルギー源」との「ブランドイメージ」を付与する運動を行っている。今回の調査では、原子力発電について、67%が「大変信頼できる」、66%が「きれいな大気と大いに関係ある」、50%が「大変経済的」と答えた。また原子力発電のイメージでは、「効率的」が68%、「持続可能」が59%、「エネルギー・セキュリティ」が56%だった。 |